BuraKita。

ツツウラウラお散歩旅

20190713-16福島県みちのくコミティア~自噴温泉巡り(2/2)

<三日目>
15日からは福島湯巡りのスタートです。


駅前でレンタカーを借りて、まず向かったのは甲子温泉大黒屋。広い快走路を気持ちよくドライブしながらたどり着きました。ただ、幹線から宿に向かう道はトンネル抜けてすぐのところにあるので見落とさないように。

f:id:kita0525:20190717231858j:plain


建物は新しく、中も綺麗。建物の脇は渓流が流れ、水の音だけが響く静かで時が止まったかのような空間があります。

 

f:id:kita0525:20190717231951j:plain


目当ての自噴の湯は館内を奥のほうへと進み、川にかかる橋を渡ったところの別棟にありました。


ガラっと戸を開けるとすぐ浴槽。ちょっとびっくり。脱衣場は脇にあり目隠しもされています。
ここは混浴で、奥には夫婦らしき一組がいました。岩の前に小さな鳥居があり子宝の湯としてご利益があるそうです。
ただ、女性の脱衣スペースは別に分けていないのでちょっと混浴レベルとしてはハードルが高く感じるかもしれません。
浴槽は12畳くらいの大きさで、天然の岩をそのまま使った岩風呂となっています。源泉は岩の隙間から湧き出しているようですがよくわかりません。
源泉はぬるめなので鳥居の付近から熱い湯が注がれていました。


お湯は無色透明無味無臭の単純泉で、湯あたりは非常にまろやかで軽いです。時代を感じさせる味のある建物を見ながら入るのは格別でした。
なお、これとは別に小さな男女別の内湯がありこじんまりとした露天風呂もありますが残念ながら渓流は望めません。
すなわち、源泉風呂直行がベストです。

 

f:id:kita0525:20190717232117j:plain

他には食事処もあるので食事もできます。ロビーのお茶とお水の無料サービスが湯上りにとても嬉しいものでした。

 

 

さて、お次は南会津の山のほうに向かい、二岐温泉の大丸あすなろ荘というところにやってきました。

f:id:kita0525:20190717232328j:plain


格式ある門構えでちょっとお高めの宿のような感じでしたが、フロントでは庶民的なおばちゃんがお迎えしてくれました。
入浴料を支払って貴重品を預けたらエレベーターで1Fに降ります。ここは入り口のフロントが3Fとなっています。川沿いの旅館によくある形です。


ここのお風呂は内湯(+露天風呂)、渓流露天風呂、岩風呂(源泉自噴)3種類。
最初はもちろん岩風呂へ直行。内湯の脇から庭に出てすぐの小屋の中です。

f:id:kita0525:20190717232449j:plain

f:id:kita0525:20190717232547j:plain

この日は空いていて運よく誰もいない状態でした。ちなみにここも混浴で扉を開けると目隠しもなく、直で脱衣所なので女性には先ほどよりもハードルが高いです。


浴槽は薄暗く、隅には観音像がありました。ここも子宝の湯らしいです。

浴槽の底には大きく2つのくぼみがあり自然にできたものをそのままにしているようです(もともとは川底だったみたい)。ここは岩壁の隙間から源泉が湧き出していて源泉の温度が熱いためはっきり知覚できました。岩壁を背にして座ると尻が熱い。

f:id:kita0525:20190717232855j:plain



ここもアルカリ性単純泉に近い柔らかいお湯ですが、先ほどの大黒屋よりもやや熱めで空間も狭いので長時間は少し厳しそうです。湯を体にこすりつけているとほどほどにヌルヌル感が楽しめるので、ヌルヌル系が好きな自分には好みでした。

 

f:id:kita0525:20190717232930j:plain


内湯は真新しい木の香りがする高級感あふれる浴槽。

外には岩風呂の小屋を眺められる露天風呂があり、岩風呂待ちに使えそうです。

f:id:kita0525:20190717233042j:plain

なお、渓流露天風呂はダイナミックな渓流を間近で見られて景観は抜群なんですが、湯の質はかなりくたびれて残念なことになっていました。そしておそらく消毒剤を使用しているんじゃないかと思います。(使用しているとは記載していなかったけど)
ここは景観を見るものと割り切ったほうがよさそうです。

 

 

そして、この日最後は宿泊先の湯岐温泉の山形屋旅館。茨城県に近いところにあります。

f:id:kita0525:20190717233254j:plain


家族で経営している民宿のようなお宿で、壁もちょっと薄いですが
ここには岩が斜めに張り出した源泉自噴の岩風呂と宿泊者専用の貸切風呂があります。
夕方の岩風呂は地元の方の憩いの場になっていたようなのでまずは貸切風呂に入りました。

f:id:kita0525:20190717233321j:plain


一人サイズの小さな石造りの浴槽に勢いよくホースで源泉が注がれています。温度はぬるめで冬季は加温できるようです。
源泉自噴のところではなかったですが、お湯の鮮度は抜群で30分ほど長風呂してしまったぐらい、ずっと浸かっていられる心地よさ。

綺麗な湧き水が温泉だったというレベルの澄んだお湯です。よくよく見ると微妙に含まれるカルシウムの析出物が浴槽のヘリに付着していました。

源泉が適温なのでシャワーもすべて温泉水のようです。

 


夕食は夜6時。一泊二食で1万を切る価格で部屋出しで温かいものを温かいうちに出してくれます。

f:id:kita0525:20190717233423j:plain

f:id:kita0525:20190717233513j:plain


旅館飯ってだいたい冷めた状態で出されることが多いので、これは大きなプラスポイントです。そして日本酒によく合います。

ここは福島の地酒の品ぞろえが良く、レアものもあります。

f:id:kita0525:20190717233622j:plain

通常は一合単位での提供でしたが今日は空いているということで特別に半分くらいで3種類出してもらえました。神対応です。

 

f:id:kita0525:20190717233643j:plain

 

どれも香りが良くて美味しいものでしたが、食中酒なら写楽、単品ならロ万、その間のバランスが会津中将といった感じでした。
肉を焼いたら部屋が肉の煙で臭くなってしまったので換気している間に岩風呂へ。目論見通り貸切状態でした。

 

f:id:kita0525:20190717233711j:plain


湯の感じは貸切風呂と大差はなく、岩から気泡がぷつぷつ出ているのでお湯が出ているんだろうということがわかります。
斜めにせり出した岩はどうにも体の収まりが難しいところで、個人的には貸切風呂のほうがゆっくり入れました。
基本的に混浴ですが女性専用時間帯や女性用の脱衣スペースあったりとけっこう配慮されているので女性も安心です。


お酒を飲んだら眠気がきてしまったので早めに就寝。

 

 

 

<4日目>
最終日です。
遅めに朝風呂をいただいて、朝8時に朝食。家庭的な感じの朝食でした。温泉玉子は嬉しい。

f:id:kita0525:20190717233843j:plain



味噌汁が酸味の強い感じだったんですがこれが地元の味なんでしょうか。
焼き魚はイワシ。珍しいなと思って食べましたが肉厚で鮮度が良かったです。山の中なのに。


9時前にチェックアウトして、最後の湯巡りとなる野地温泉ホテルへ向かいます。
野地温泉ホテルは福島から磐梯方面へ抜けるスカイラインの近くにあるのですが、この日は濃霧でほとんど視界のない状態でゆっくり安全運転をしてようやく野地温泉ホテルについたのは11時30分ごろ。

f:id:kita0525:20190717233936j:plain

f:id:kita0525:20190717233952j:plain


まるで異界に迷い込んだかのような雰囲気。この天気なのに駐車場にはかなりの数が止まっていました。


フロントで入浴券を買い、奥に進むと天狗の湯、剣の湯、鬼面の湯、扇の湯、千寿の湯という5種類の風呂がありました。
このうち剣の湯は男性専用でサウナつき。扇の湯は女性専用です。他は時間で女性と男性が入れ替わります。
ただし日によって日帰り入浴時間帯に清掃で使えないところがあるようで、この日は扇の湯でした。明日は千寿の湯となっていたのでこのあたりは要注意です。


本命は源泉自噴の千寿の湯ですが、13時からだったのでまずは天狗の湯へ。木造の広い内湯と外には露天風呂があります。
お湯は単純硫黄泉。硫黄の香りはやや控えめですがばっちり白濁した湯が綺麗です。
露天風呂は濃霧のためまったく景観が望めない状態でしたが、かえって秘湯感が出て逆に良かったような気がします。
露天風呂にはいかにも温泉玄人な人たちが陣取っていて、なるほどなと納得しました。普通の観光客ならこんな日にここには来ません。
天狗の湯からあがって休憩後剣の湯をのぞいてみたら無人でした。サウナはどうも日帰りでは使用できないようです。

f:id:kita0525:20190717234143j:plain


しばし温泉を独り占め。

 

f:id:kita0525:20190717234223j:plain

 

そして13時。

待ちかねた人が次々と千寿の湯に入っていきます。年季が入った木造の建物で浴槽は縦に3つ。熱め、中温、ぬるめの3種類。浴槽の底は板敷きで、板の間から自噴しているようです。
お湯の色は完全な純白。他の風呂はかすかに緑がかった色でしたが。こちらは完全に白。
そしてさらりとした湯あたりと軽やかさ。絹のような。。。いや、羽毛といったほうがいいかもしれない。
ここまで上品な硫黄泉は初めてだったのでこいつはやばいと声が漏れてしまいました。


他の風呂とは全然レベルが違います。

他の風呂のレベルなら正直再訪はないかなーと思っていましたが一気にくつがえされました。ここは今度は泊りで来たい。そう思わぜるには十分すぎる衝撃の泉質でした。

福島に来るなら間違いなくオススメの温泉です。このあたりは高湯や土湯などの温泉地もあるのでついでに湯巡りもいいかな?

f:id:kita0525:20190717234551j:plain


なお、ここの成分を見てみるとほぼ純水と言ってもいいくらいの薄い成分。これが軽やかさの秘密でしょうか。

 

 

硫黄の残り香をお土産に仙台空港から帰宅。
充実した福島の温泉と日本酒巡りでした。
毎年福島行ってる気がするけどまだまだポテンシャルを秘めているなあと感じます。