二日目です。
ギリギリまで黒湯を堪能しようとまた大浴場に行ったら入り口にやや自虐的な案内文があることに気づきました。
さすがにゴミは言い過ぎでは・・・?
高友旅館をチェックアウトし、今日の目的地は赤倉温泉となるのですが新庄方面の電車は本数が少ないため、時間待ちをするくらいならと一度赤倉温泉を通り過ぎ、瀬見温泉まで行くことにしました。
瀬見温泉は瀬見温泉駅から下る道を徒歩十分ほどいったところにあり、かなり古そうな旅館が印象的でした。観光客っぽい姿もなく寂しげな感じですが、川のほとりにあるのでベストシーズンは夏とかになるんでしょう。
公衆浴場の瀬見の湯はとても綺麗な新築の建物で、中に入ると下足箱とロッカー。男女それぞれの浴室への入り口は自動ドアで、料金を入れると開くシステムです。
別府にもあったなあこういう自動システム。
午前九時から十二時ごろまでは清掃中のため使用できませんが、自分が訪れた少し後にちょうど清掃が終わり、一番風呂をいただくことができました。
脱衣場は狭く、3人もいれば窮屈な感じです。
まずは内湯。ぬるめと熱めの二種類があり、温度の基準は高めでぬるめが適温といったところです。
外にはほぼ一人用サイズの小さな露天風呂があり、公衆浴場ながらバリエーションが豊富でした。
泉質は塩化物泉でよく温まり、クセのない湯なのでじっくり浸かることができます。
次第に地元の人が増えてきたので、内湯の隣にあるふかし湯に移動しました。
ふかし湯は床がすのこ状で、蒸気が出る丸い穴が開いていて、そこにタオルなどを当てて寝転んで温まる温泉サウナといったところです。サウナと違うのは高温多湿ではないため、息苦しさなどは感じることがなく、天然の床暖房で体がじわじわと暖まるので冷えにとてもよく効きました。
ここはいちおう着衣(浴衣など)が推奨されていますが地元の人はそのまま裸で利用していました。厚めのバスタオルか替えの下着に余裕があればそれを使ったほうがよさそうです。(自分は後者)
遅めの昼食はおばあちゃんが一人で切り盛りしているやまや食堂へ。
温泉街の奥の赤い橋を渡った正面にあるお店です。
観光客向けでもなく、それでいてどこか馴染みやすい不思議な空間でした。
メニューはラーメンや丼ぶりものなど、よくあるラインナップの中からカツ丼を注文。
カツを揚げている途中に煮物の小鉢や漬物を出してくれました。
どちらも味は濃い目ですがほっこりする家庭の味。
しばらくしてカツ丼がお吸い物と一緒に出てきました。いただきます。
カツには卵がしっかりと、完全に固まっています。そしてちょっと黒っぽい。
カツを一口食べると予想どおりガツンと醤油が効いた、ローカルの味付け。こういう味に出会いたかったんだ!と心の中でガッツポーズ。
基本的に薄味が好みですが、旅先ではその地域のスタンダードな味に出会えることで旅情を感じます。
お吸い物は味噌汁と思いきや、これも醤油味・・・? いやなにか油っぽい風味とネギがたくさん。もしかして醤油マシマシの中華スープだったんだろうか。
これはさすがに飲むとキツそうなので、二口程度でやめることにしました。
良い旅メシに出会えたと思います。
その後、赤倉温泉に移動。天気は良かったので駅から歩いたら徒歩1時間ほどでした。宿の人に話したら歩いて来たんですか?って言われたけど(送迎あり)。
赤倉温泉は川を挟んで旅館が並び、ここも温泉街というには小さなところでした。
今日の宿、三之亟は秘湯を守る会の会員宿で建物は老朽化はしていますが、客室は綺麗なほうに感じました。この時期にうれしいこたつつき。
角部屋で窓の下をごうごうと川が流れている様子がよくわかります。今の時期は雪解け水で水量が多いからか荒々しい流れでした。
大浴場の温泉は天然の岩をくり抜いてつくった自慢の自噴泉。そのため浴槽は凸凹しているので注意しないと深みにはまって転倒しそうになります。
自噴している場所は浴室の入り口に描かれていましたが、湯量が少ないのか自噴しているという感じは結局よくわからないままでした。
源泉ゼロ距離のお湯は鮮度抜群で、泉質は単純泉。極上の温泉です。
自噴の大浴場は基本混浴ですが、女性専用の時間があります。けっこう細かく時間が分かれているので利用しづらい感はありますが。
他には半露天の風呂と小さな貸切風呂があります。大浴場には洗い場があまりないので、体を洗うには混浴でないこちらのほうがいいと思います。
夕食は品数が多い豪勢な旅館飯。
一斉に提供するため冷めたものが多いですが味はなかなか。
地酒もいろいろ揃えてあるのですが、すべてボトル単位のみの提供が悲しいところ。
地元のブランド米のご飯は美味しかったけどおかわりする前にお腹がいっぱいになってしまいました。
この宿のロビーは風情があっていいのですが、この日はあまり暖房が効いておらずゆっくりするには厳しかったので部屋でゆっくり過ごしました。